2010年5月23日日曜日

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 書評25



経営者ブートキャンプ受講生(社長さん)からの推薦図書の一つ。ご存知ただ今のベストセラー。私が入手したのは、第12刷り(初版は'09,12月)。

あのダイヤモンド社がこんなくだけた(迎合的な)タイトルを付けるようになったの!?著書の岩崎夏海さんという人は放送作家だそうで、ストーリーの進行がいかにもTVの三か月番組みたいで手慣れているし、こなれている。そして当然ながら無理がある。ドラマとしての筋立てに何とかドラッカーの警句をちりばめようというのだから、どこかに牽強付会が発生するのは仕方のないことだ。

たとえば、高校野球部の定義が「顧客に感動を与えるための組織」と言い切ってしまっていいものか?私は高校の時、ボート部で、それもインターハイと国体の本大会で準決勝まで行った口だ。高校野球なら甲子園の本大会の準決勝というわけで、私も本格的に部活をやっていた。

部活の強豪校の実態というのは、ドラッカーの組織マネジメントや消費者運動、マーケティングの概念で切り分けるの今一つなじまない。

本書の良点は、ストーリを追っているうちに、散りばめられたドラッカーの箴言を何十となく読まされることであろう。ドラッカーとの邂逅に寄与するという点でよろしいかと。「漫画で読む源氏物語」だって意味があるのと同じだ。

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