2010年7月23日金曜日

野球は不思議なスポーツ



先日の朝日新聞で、元プロ野球の桑田真澄氏がエッセイを寄せていた。
その後半に、桑田氏らしい指摘があった。いわく、
「野球で声を出す場面が大きく二つある。ひとつは練習でノックを待っているとき、もうひとつは試合中相手にベンチから野次を飛ばす時」
として、前者は練習の進行方法を合理化すれば無くせると言う。

後者については、
「対戦相手に対するリスペクトということだ」
と書いていた。野球人から、このような自省の言葉を聞いたのが全く初めてだったので、大いに印象に残った。

私も野球の試合を観ていて、違和感を感じていたことである。およそ試合をしに来てくれた相手を
「ピッチャー、ノーコン!」
などと罵る無礼な競技を他に知らない。
テニスで
「やい、このへぼサーブ」
と相手に怒鳴ったらどうなるか?
想像もつかない。ルールも思いつかない。そんなことはあり得ない。


また、野球で打者が平凡なゴロを打ってしまい、一塁に駆け込む。その時、タイミング的にどうしても間に合っていないのに、味方の1塁側コーチは、大きく両手を広げアピールし、あまつさえ「セーフ」と大声を出す。何と卑怯なことだろう。これに限らず、クロスプレーでは必ず自軍に有利なアピールを繰り返す。

これらはフェアプレーの精神に大いに違背する。情けないことに高校野球でさえ、そうだ。つまり日本野球に塗りこまれている負の伝統と言うべきだろう。
「高校野球が教育?」

大いに疑問だ。見てみるがよい、高校球児で長じたものはプロに入り、時に大乱闘を繰り広げる。
こんなスポーツが他にあるだろうか。

桑田、よく言った。PLで同僚だったKの傍若無人とは大違いだ。

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