2011年11月30日水曜日

印彩土亭 寄席 盛況に終わる 「替わり目」を熱演

夏から稽古を付けて貰ってきたインサイト・ラーニング講師達が発表会を行った。

トリは、同社の箱田忠昭講師。出演は8名。シティホテルのセミナー・ルームを借り切って賑々しく挙行された。
皆一応古典のネタを割り振られ、私は「替わり目」。前半・後半と2名で演じる予定だったのだが、2週間ほど前に前半の方が都合が悪くなり、私が両方担当。

落語デビューにしては30分以上話し、進行役から「巻き」(早く終われ)のサインを貰ったところで、「落ち」に繋げて終了。

大変楽しい出番だった。ただ、正座が堪えられないので趣味とか、今後もということにはならない。最初で最後の出番。講師としての勉強には大いになった。

2011年11月27日日曜日

「実践NPS経営」 高橋功 書評107

プレジデント社、1990年刊。

NPSとは、New Production Systemの略。トヨタ生産方式をベースに、1業種1社を原則に会員企業を募り、製造改善指導を行っていったもの。NPS研究会は現在でも活動中。

出版年がバブルの絶頂期なので、全体経済絶好調の中で「何をやっても上手くいく」類の話かと思った。ところが、数十の会員企業(当然ながらメーカーが多い)が、協会の指導員や相互での研修を通じて血のにじむような改善運動を積み上げている様が描出されていて迫力がある。

日本の会社はやはりまじめで、向上への底力を再認識できる。刊行時から20年余という時間の洗礼もあり、バブル崩壊などの激震もあった。だから紹介された事例企業や、初期の会員企業でその後不調となってしまった例ももちろん散見される。NPS運動自体も、創設者達が鬼籍に入ったりして会員企業数は減少したようだ。しかし、日本が得意とする「リファイニングによる改善と向上」の具体例が示されていて興味深く示唆に富む好著。

文章がまた華麗で迫力がある。しかし、500ページの大著が同じペースで進むので、、。文章ってやはり難しい。

2011年11月25日金曜日

りそな総研 セミナー「苦境でも勝ち残る戦略」はこう立てろ!」

りそな総研で標題のセミナーを終日。

各地から来てくれた社長さん達に、「戦略カードとシナリオライティング」技法の5つのステップをみっちり展開。

アンケートでの評価は高得点。

2011年11月23日水曜日

ニュートップL.12月号に「社長のための勉強法」 寄稿

月間経営誌「ニュートップL.」は前の名前を「経営者会報」という。本屋では販売せず、経営者に直接郵送・購読して貰うという形態では日経ビジネス誌より古い、伝統ある雑誌だ。日本実業出版社刊。

この雑誌には、昔私が華人型経営を研究していた頃、数年間にわたり長期的な連載(それも4-6ページもの)をしていたことがある。
今回、12月号では
「社長のための自分を”ぐんと伸ばす”勉強法ガイド」
というタイトルで、5ページの記事を寄稿。
いずれ、本文なり要約なりを本ブログで紹介する予定。

2011年11月21日月曜日

「村上式シンプル仕事術」 村上憲郎 書評106

ダイヤモンド社、2009年刊。

経営者ブートキャンプの特別講師、ご存じグーグル元社長だった村上さんのご著書。

40年間にわたるキャリアから醸成された「成功のための原理原則」を分かりやすく説いているのが前半第1部。
外資の社長を歴任という、似たキャリアを経られてきたこともあり、第1部の内容に対しては賛同できるところが大いにあった。
「アイデアを出していくときは、主語述語が存する文章のかたちで書き出していけ」
という部分は、戦略カードの書き方と同じだ!と大いに意を強くした。

第2部では、キリスト教、仏教、哲学、アメリカ史、経済学など、成功するビジネスマンに必要な素養を説明してくれている。
第2部を「余得」と見いだすか、「想定外?」と思うか、それは読者によるだろう。

青雲の若手ビジネスパーソンにお薦めの本。

2011年11月20日日曜日

「自分を超える法」 ピーター・セージ 書評105

 ダイヤモンド社、2011年刊。7月に出て9月には第6刷りとなっていたから、随分売れ行きのよい本。

本文に使われている紙がいい。また「世界No.1コーチ」の「史上最年少トレーナー」とか、「20代なのに22の会社を興し年商1兆円」などという、おどろおどろしい帯の惹句から
「?」
を幾つも感じ、眉のつばを一生懸命ぬぐいながら開いた。

ところが、、なかなかよい。
まあ、アメリカ式の(セージはイギリス人だけれど)「やってみなはれ」の勧めである。起業する際には参考になるようなTipsは幾つもある。成長段階にある読者で、自分と向き合ってみたい段階のビジネスパーソンには、よいワーキング・モデルやヒントを与えてくれるのではないか。

2011年11月19日土曜日

九段クラブで「経営戦略セオリーの変遷」を話す

 九段クラブは、30年続いている勉強会。School of International Studies(日米会話学院の上級校)で故・水谷栄二先生の講筵に連なった有志で結成された。各界で活躍している有為の士が輩出されてきた。

「超実践的 経営戦略メソッド」(日本実業出版社)を今秋上梓したので、その内容をかいつまんで話す。スピーチ2時間、懇親会2時間。

得るところの大きい勉強会だ。何より、参加者は30年来の友人となった。会社組織以外で、社会人としてこんなに継続した人間関係というのは希有ではないか。貴重な繋がりに感謝。

2011年11月17日木曜日

ケース・メソッド、セオリー・メソッド、ミューチュアル・メソッド

経営者ブートキャンプをスタートしたときに、Gなる日本のビジネス・スクールで教授をしている友人から、
「山田さん、そのレベルの人たちを教えるなら、絶対ケース・スタディだよ」
と言われた。

ハーバードなどのケースなら私もイヤと言うほどやったし、慶応Bスクールのケースに至っては、頼まれて英訳したこともある。その時言わなかったが、私が思ったことは
「こちらは仮想のケースではなく、私山田の実ケースがイヤと言うほどある」
ということだった。

ブートキャンプも第4期を進行して思うようになったことは、
「参加経営者達は、互いの実ケースから学び合っている」
ということだ。6回のクラスを通じて、実際に各自の経営戦略を作って貰い、最後は発表して貰う。しかし、その間に3回小グループ討議がある。前期までは固定のグループで進行したが、今期は各回、グループ構成を変えてみた。お互いの戦略立案過程の提示、それに対する助言、、、。午前中は私の講義だが、午後特別講師を交えてのこのグループ討議から互いに学んでいるところがとても大きい。

ハーバードではケース・メソッドで教える、シカゴはセオリー・メソッド(講義だけ)と言われて久しい。
経営者ブートキャンプで始まっているのは、Mutual Method(互いの実事例から学ぶ)だ。実はとても革新的で、学習効率としては既存2メソッドを凌駕している。そして、、たぶん世界で初めて。

2011年11月15日火曜日

落語の稽古、いよいよ発表会 近し

大真打ち、三遊亭圓窓師匠に直々稽古を付けて貰っている、インサイト亭落語稽古会、18日(金)最後の稽古を追え、いよいよ11月30日(金)の発表会を残すばかりとなった。来場客はおよそ5千人を超えるものと予想され、インサイト・ラーニング社のセミナー・ルームに入りきるか、大いに心配されている。私も当日着る着物の心配などしなければならない。

発表会を前にして、激震が走った!
「替わり目」という古典落語を、印彩杜亭説度さんが前半、私印彩杜亭上々が後半という分担で稽古してきた。ところが、発表会当日に説度さんに仕事が入ってしまったというではないか!
予定されていたリレー落語が駄目となり、急遽私が彼の分もやることになった。何と、30分近い演目を演じなければならない。落語デビューとしては誰もが荷が重いと思うだろう。
誰か、私の「代わり目」が欲しい。

お後がよろしいようで。

「はじめの一歩を踏み出そう」 マイケル・バーガー 書評104

世界文化社、2003年刊。著者は、起業や起業早期の中小企業専門のコンサルタント。原著は2000年にアメリカの成長企業500社のCEOのアンケートでNo.1ビジネス書に選ばれ、世界20カ国で翻訳されているという。

イヤと言うほどの試行錯誤を繰り返す起業家に対して、システマティックなアプローチを示す、実践対策という書物であるという性格から歓迎されてきたのだろう。
「成功するための7つのステップ」や、「フランチャイズでの出発の検討」などだが、中でも「事業の試作モデルを作る」というのは良いアドバイスだろう。

私の書評99(本日のタイトルからリンク)で「成功の法則92ヶ条」(三木谷 浩史)を取り上げたが、こちらの方はメンタルの重要性を説いている。創業を考えている読者には併せて読むことをお勧めしたい。

2011年11月14日月曜日

経営者ブートキャンプはカー・レースの勝ち方を

昔90年代の終わりに、法政大学の博士課程に通っていたとき、お世話になった先生の一人、洞口治夫教授と、日本の社会人経営大学院と、北米のMBAとの違いについて話したことがあった。洞口先生は、その前年にハーバード・ビジネス・スクールで客員研究員として滞在されていて、印象が新しかった。こうおっしゃった。
「日本のMBAでは、車についてエンジンや構造などのメカニズムを教える。あちらのビジネス・スクールでは運転の仕方を教えます」

上手い比喩だと思い、一昨日ブートキャンプの後の懇親会で披露した。参加者の一人が(この方はミシガンのMBAホルダー)が
「経営者ブートキャンプは、カー・レースでの勝ち方を教えてくれます」
と言ってくれた。

確かに、私たちは車でいえば運転免許の取り方のレベルを教えているわけではない。既に免許を取って、しかも上級ドライバーである強者達が参集している。
これもよい比喩だと思ったので、書き記す。

2011年11月13日日曜日

「現代組織学説の偉人たち」 D.ビュー&D.ヒクソン 書評103

有斐閣、2003年刊。
原著は2000年に出ている。その時点までの、つまり「20世紀における組織学説」の一覧カタログ本だと思えばよい。戦略論の分野での「戦略サファリ」(H.ミンツバーグ」を詳細にしたようなもの。

この分野での61名の代表的なセオリー・ホルダーの学説を、一人4ページほど割いて概説している。ただし、欧米の学説のみ。61名が、8つの分野に分けられて出現順で紹介されて居るので、分野ごとでの学説の発展も理解できる。

学術書であり、実務家には向かない。細かすぎる。

2011年11月12日土曜日

経営者ブートキャンプ、3講師が集中グループ指導






本日は経営者ブートキャンプ第5期の第2講。午後の1番は新将命(あたらしまさみ)特別講師による、「企業を伸ばすリーダーの条件」特別講義。QAを入れて2時間みっちり。新講師は、ご存じ「伝説の外資カリスマ経営者」として知られ、著書は優に30冊を越える。来月も「経営教科書シリーズ」の新著をダイヤモンドから上梓する。この新著は、当ブートキャンプでの講義を元にしたものとか。

その後は、3グループに分かれて「経営戦略展開」グループ発表の第1回。それぞれのグループに私、新講師、井上和幸講師がべったりついて指導。

某参加者、「新さんの特別講義だけでも普通xx万円の価値があるのに、これだけの少人数で話を聞けた。なかんずく、グループ指導では各講師からコンサルティングを受けているかのような指導を貰った」
とのこと。

戦略展開のグループ討議はこの後、2回有る。その都度講師陣が密着指導。

2011年11月11日金曜日

経営者ブートキャンプ第5期の説明会 1月25日(水)と2月8日(水)




経営者が集まり学ぶ、経営者の梁山泊、経営者ブートキャンプは現在第4期がフル定員で発進している。
次の第5期は、来春3月か4月開講の予定。

第5期の説明会の方は決定した。タイトル標記期日の16時と19時から。私の特別セミナー「儲かる、成功する勉強法&戦略立案法」が併催され、各会2時間。
第5期の、具体的日程を含む詳細はこの説明会で発表される。
説明会・セミナーの方は受付を開始したので、本日のブログタイトルをクリックして詳細サイトに跳んで欲しい

「経営者の器」 連載(14)



◆子供承継か、番頭承継か

経営承継ということでは、父親の後を継いだユニクロの柳井正は「子供承継」、しまむらの藤原秀次郎の場合は「番頭承継」だったわけである。どちらがいいのか? それは誠にもって「人材による」としか言いようがない。鹿島建設が数代にわたり、「婿取り承継」によって大発展を遂げてきたことは知られている。しかし、その方法をどこのファミリー・ビジネスでも選択できるわけではない。
現社長が創業オーナーである場合、子供に承継したいと考えるのは人の情である。しかし、会社のためには、藤原が指摘したように「最適選択」をする以外にないのだ。

(本文中敬称略)

2011年11月10日木曜日

「経営者の器」 連載(13)



◆あくまでファミリー・ビジネス

しまむらは上場公開してからも、創業家である島村家が一定のガバナンスを保持している。藤原は、同社をなおファミリー・ビジネスであると認識した上で、「創業家がバックボーンとなっている」「支配より統治がガバナンスである」と見解を述べた。
「子供たちは、普通の人より一回りも二回りも贅沢してくれて構わないが、経営職に就くものではない」
「創業家は株を売り払うことなく、中心的な資本家としていてくれることで経営も安定する」
とも話し、専門経営者としてのプライドを感じさせた。

2011年11月9日水曜日

「ゼロの力」 ナンシー・ルブリン 書評102


英治出版、2011年刊。

副題が「成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11」とあるように、著者はドレス・フォー・サクセスというNPOの創業者で、現職はドゥ・サムシングという別のNPOのCEO.
NPOはNon Profittable Organizationということで、成功しているNPOは大がかりなボランティアの集団・組織だと思えばよい。こんな組織を率いるのに通常のPO会社と異なる点は、1)営利が目的でない2)職員が報酬によりモチベートされる割合がとても低い、 ということだと分かる。

そのような状況で、無数にあるNPOの中で成功するためにやはりPO会社と共通するところ、異なるところを説明して、しかし本書の目指すところは「PO会社の成功に資してもらいたい」ということだ(そうでなければ本が売れないので出版社としてはそのスタンスで書いてもらったわけだろう)。

多数のビジネス・経営書を読んでくると、結局
「切り口は異なるのだが新見は無い」
というジレンマに陥る。
そういう意味では本書の提言の幾つかは新鮮だ。NPOにもブランド構築が絶対必要で、それはどうする、なんてNPOの経営者に教えて貰えるとは思っていなかった。

ビジネス分野の外部からの提言で学べる、ということではアメリカ海軍の戦略教書から学ぶ「ランチェスター思考II 直観的問題解決のフレームワーク」福田秀人(東洋経済新報社)がおすすめ。本日のブログタイトルからリンクを貼るので、クリックして見て欲しい。

2011年11月8日火曜日

「経営者の器」 連載(12)



<図>ユニクロとしまむらの売上推移
(1990~2004年度)
図が上手くコピペできない。この期間、すなわち藤原秀治郎氏がしまむら社長在任期間中は、両社の成長(年商)はほぼ同様であり、しまむらも決してユニクロに引けを取っていない。

(以下引用)
◆創業家は君臨すれども統治せず

藤原自身は創業一族ではない。しかし、経営承継については「納得性と継続性」が担保されなければ、ステーク・ホルダー達の支持を得られなかっただろうと述べた。
「創業家は家督を守り続けなければならない。そのためには、経営権については最適者への引き渡しを選択するしかないのです」
つまり、しまむらの最適な新経営者は藤原という番頭社員だったわけだ。では、先代社長はどうすればよいのかについては、こう語っている。
「会社にとっての全体最適が基本ですから、(先代社長が)隠居できるかということが重要だったわけです」

2011年11月7日月曜日

「経営者の器」 連載(11)



子供か番頭か
(有)MBA経営 代表 山田 修

◆しまむらを大躍進させた番頭社長

ユニクロと並ぶ衣料品専門店チェーンの巨頭・しまむらには、大躍進の時期があった。一族ではなく、新入社員からのたたき上げだった藤原秀次郎社長の時代である。藤原は1990年に、創業社長だった島村恒俊から後を託された。翌年、東証1部上場を果たした時は売上規模が600億円程度だった同社を、2004年に退任した時には3,200億円台にまで育て上げた。同社がその後2008年まで増収を続けたのも、藤原経営の余熱と言えよう。
ユニクロの社長である柳井正のマスコミ露出が豊富であるのに対し、抑制的な藤原が経営哲学などを披露することは稀だったが、数年前、その藤原の話を聞く機会があった。まだ、しまむらの会長だったころである。

2011年11月6日日曜日

「世界が目を見はる日本の底力 」ロム・インターナショナル 書評101



KAWADE夢新書、河出書房新社、2011年刊。世界における日本経済の相対的な地盤沈下を受けて、日本の未来に対する悲観論が大きい。日本社会内部の沈滞感からも、それが増幅されている。

そのような悲観論に対して、
「日本もまだまだ捨てたものではない」
という、「逆張り論者」による「日本の底力」が冠されている書物も、実は多数出されている。
本書は、東北大震災の後に発刊されたというタイミングから、同震災での被災者の対応にも着目して、日本社会や文化に内在した伝統的な底力から始まり、最先端的な科学技術まで数え上げている。
単独著者ではなく、各著者名を名乗る「共著」でもない。近年はやっているライター集団による「グループ著」。それはそれで多数の資料に目配りして、強みのある章を分担するので、そつなく書かれる。
「ネタ本」としてはこの手の著作法も有効だろう。底は浅いが、事態を概観できる。

2011年11月4日金曜日

「新・資本論」大前研一 書評100



東洋経済新報社、2001年刊。

2年ほど前から当ブログにアップしてきた「書評シリーズ」。主としてというか殆どがビジネスと経営書を取り上げてきた。記念すべき100回目は、巨人大前研一の旧著。なんと「翻訳書」である。本書は2000年にアメリカで英語による原著が発行された。翻訳版は吉良直人の訳により、大前氏によるものではない。その割に達意に訳出されている。欧米で英語による発表を続けている日本人はもちろん少ない。経営学の分野では野中郁次郎を筆頭とするが、大前氏の彼の地での知名度はそれに次ぐと言われている。

大前氏はやはり大したもので、著作12年を経てもその内容に違和感は無い。ばかりか、同時代を生きている「ビジネス預言者」の如き存在だった(現在ではそれまでの存在感は無いが)。本書の美点は、ビジネスの状況に対して「旧大陸と新大陸」というメタファーを持ち出して、鋭利に新しい状況や近未来的に起こるべき状況を描き出し、ビジネスパーソンが準備すべき対応を解き明かしたところにある。

もちろん、社会情勢とは全てが一気呵成に白から黒へ変革異動するわけではないが、変革の方向を指し示した点で優れている。

大前氏は頭が良すぎるのか、本書におけるパースペクティブもカバーが大きすぎて、後半は国家論にまで展開している。その部分を思い切ってカットして別の書としたら、格好のビジネス啓蒙書となったと思う。素晴らしいできの重すぎる本。

2011年11月3日木曜日

「経営者の器」 連載(10)



◆親族承継なら後継者指名は早い時期に

従業員から後継経営者を選ぶ場合は、ぎりぎりまで競争させて能力開発に励ませたり、業績を累積させるのがいい。
会社の中に子供や親族が複数いる場合は、早い時期に後継者を指名しておくことである。子供や親族に最後まで後継争いなどさせれば、それぞれに期待し援護する派閥抗争が起きたり、破れた方に強い挫折感やこだわりが残ってしまう。例えば子供達が30代になる頃には、それぞれの才覚は見抜くことができるだろう。事業家やリーダーとしての資質は、それ以降に変えることは難しいからだ。もちろん、弟や妹を後継者にしても構わない。優れた経営者になると思える人を選ぼう。
そして、残りの子供や親族にもその旨を伝え、選ばれた後継者を一致して支持・補佐していくことを説いておかなければならない。株式などもその後継者に集中するような方策を取るべきだ。子供による経営承継は、「家督相続型」とするのがベストだ。

2011年11月2日水曜日

「経営者の器」 連載(9)



◆オヤジとコドモ、コミュニケーションが取れているか

しかし、後継者が決まっている割合は半数にも満たない。オヤジといえども我が子を自動的に後継者とするほどの強権はない、ということなのだろうか。
知り合いのオーナー経営者などと話すと、
「やはり子供が継いでくれればいいのに」
「我が子が入社してくれればいいのに」
というのが本音のようだ。
一方、子息・子女が入社を考えたり、積極的に将来の経営者となることを自覚して琢磨することが少なくなっている。「親の心、子知らず」ということだ。
その理由の一つに、規模的には大きいとは言えない家業事業の経営に魅力を感じないことがある。これはやはり、現社長が腹を割って、事業を動かし育てていく魅力、その個人的果実などのことをよく話してやらなければいけない。我が子が外部への就職活動を始めてしまう前に、十分に情報を開示して誘引してあげることが必要だ。オヤジとコドモは往々にしてコミュニケーション不足だが、一度改まって話しておいた方がいい。

2011年11月1日火曜日

「経営者の器」 連載(8)




子供による経営承継は家督相続型で
(有)MBA経営 代表 山田 修

◆同族企業の8割は子供・親族承継
平成23年3月に、独立行政法人 中小企業基盤整備機構が「事業承継実態調査」を発表した。回答した2,852社(平均従業員数は18.1人)のほとんどが同族企業で、創業者がまだ現経営者の割合は45.7%。2代目以降が経営に当たっている場合、後継経営者が先代の子供である割合が64.2%、親族である割合が14.6%、つまり親族承継が8割を占めているのが現状だ。

(図が上手くコピーできない)

 上の<図>は、回答した2,852社のうち、「後継者が決まっている、予定されている」という1,291社の「後継者および後継予定者と、現経営者との関係」である。ここからも、予定者を含め、後継経営者のやはり8割が子供と親族であることがわかる。