2011年9月30日金曜日

「儲かる、成功する経営戦略の作り方」10月5日(水)19時




ブログに書くのを忘れていたのだけど、9月21日の公開セミナーがあの台風のせいでほぼ中止となったので、来られなかった申込者のために、10月5日(水)19時に恵比寿5分の経営者JPセミナールームで開催される。

経営者ブートキャンプ第4期の無料説明会も併催される。

これからでも参加希望の向きは、本日のタイトルクリックで経営者JPの同セミナーのサイトに飛んで、詳細を見て申し込んで欲しい。

2011年9月26日月曜日

「直球勝負の会社」出口治明 書評94




ダイヤモンド社、2009年刊。著者の出口さんからご恵贈頂き、拝読。大変感心した。
出口さんが還暦を超えて創業なさった本邦初のネット生命保険会社。初期資本として130億円(!)以上集められた、と。
お人柄そのままに力の入らないかのような奮闘ぶりに感心する。創業するに当たって、三つの原理原則を決められ、それを忠実に守り、実現した。その「原理主義経営」の徹底は、たとえばヤマト運輸で宅急便を創始した小倉昌夫や、鈴木雅文、あるいは柳井正と大いに通じるところがある(「小倉昌夫経営学」書評には、本日のタイトルからリンクを張った)。定年までほぼ勤め上げたサラリーマンが偉大なアントレプレナーに変身する様の叙述には興趣が尽きない。経営実践本として大いに薦められる。

2011年9月25日日曜日

ロフトワーク社 林千晶社長 (国際戦略経営研究学会 全国大会に出席)





9月24日(土)、25(日)の二日間終日、全国大会に出席。若い学会なので、まだ第4回目。でも20近くの分科会発表と、幾つかの統一発表・パネル・ディスカッションで賑わった。

今年のテーマは、「プロジェクトとプログラム・マネジメント」。「プロジェクト」とは、戦略の個々の事象、通常「戦術」などと言われるレベルのもの、「プログラム」とは当該企業で複数の「プロジェクト」を走らせる場合、全体を総称しての呼び名。「プログラム・マネジメント」を効率的に行うことにより、個々の「プロジェクト」を経営成果に結びつけようという考え方。「PMO」とはだから、「プログラム・マネジメント・オフィス」の略で、企業内の「戦略統括者」ただし経営者ではない、ということとなる。

いくつもの分科会発表を聴いたが、皮肉なことにゲスト・スピーカーとして研究とは関係なく話してくれた林千晶氏(ロフトワークス社創業社長)と竹林一(はじめ;オムロンヘルスケア社長)のお二人の自社経営事例が一番おもしろかった。特に林千晶氏のプレゼンは、私が日本で見た全てのプレゼンテーションで指を折れるほど上手でとても感心した。お二人とは名刺交換をさせてもらった。いつか私関与のプログラムに登場して貰おうと思っている。

2011年9月22日木曜日

「プロフェッショナルリーダーの教科書」書評:生きた教科書、と。




「ブクログ」という書評ブログに、「プロフェッショナル・リーダーの教科書」(経営者ブートキャンプ講師陣の共著、東洋経済新報社)の書評が幾つか載っている。本日のブログ・タイトルからリンクを張っておく。そこでの書評の一部。

(略)
21世紀にふさわしい「日本人の、日本人による、日本人のための経営本」の登場を待っていた。
 幸いにも本書はこのような私の思いを十分に満たしてくれる内容であった。5人の講師が自らの経験で培った知見をもとに論を展開しており、その語り口はわかりやすく、説得力がある。こんなに自分の感覚にしっくりあう経営本に巡り合えた幸せを素直に喜びたい。
 この5人の論に共通するポイントは、会社の趨勢は真のリーダーシップを有する経営者次第であるということだ。そのことを豊富な実例を通じてまざまざと見せつけられた。
 ただし優れた経営者になるための秘訣は十分に記述されているが、自分の後継者をどのように育成するのかについてはあまり触れられていなかったように思う。ぜひ後継者育成に対する講師の方々の知見を披露してほしい。
 本書は、これからの様々なビジネスシーンあるいは職位が変わるたびに再読したほうがよい。そうすることで本書から新たな発見や知見を引き出すことができるからである。そういう意味で、本書はまさに“生きた教科書”であるといえる。

帰宅難民となる





9月21日(水)は恵比寿の経営者JPで「儲かる、成功する経営戦略の作り方」と題して講演を2回。16時からと、19時から。私が1.5時間話し、後30分間は10月から始まる経営者ブートキャンプ第4期の説明会。
第4期はおかげさまで順調に申し込みを頂いている。

この日、第風15号が関東を通過。19時からの会は満席の申し込みだったが、来られたのは恵比寿にオフィスを有する社長さんだけ!1対1で講演というかセミナーをやったのは初めての経験となった。この方が、ブートキャンプに申し込んでくれたので報われた思い。

21時まで話した後、三鷹の自宅にたどり着いたのが23時過ぎ。山手線は乗り込めたが動かず、渋谷で井の頭線に乗り換えようとしたら、これが誤算。動いているのが改札規制でホームに入るまで1時間超。でも3月11日に比べれば、、。ということで皆さん秩序有る待ち。日本人はディズニーランドで鍛えられたのだと思った、

16時の会も不参があったので、この日の2回の不参加者を対象に急遽来週か再来週に同じ講演をやる方向で動き始めた。

2011年9月20日火曜日

「東日本大震災と政治 政治は動いていないのか」岩渕美智子 書評93




(株)パブラボ社より2011年8月25日発刊。
本書は、東日本大震災への政府各省庁の対応を、それぞれのトップに近い人物とのインタビューによりまとめたものである。

インタビューの対象は7人の副大臣、2人の大臣政務官に及ぶ。発刊日と併せて、これらの被インタビュー陣容を見ると、如何に本書がコンカレント(時代即応的)な書物であるかが分かる。政府の要職にあるこれだけの人物とのインタビューを取り付けた著者の意欲とエネルギーには敬服すべきものがある。

ユニークな書物ならではのユニークな見解や結論がもたらせる。東日本大震災という未曾有の大災害で、管キャビネットが如何に大車輪で立ち向かったか。動員した10万人という自衛隊は、総数の半分に上ったし、各省庁の対応は(温度差があるが)おおむね全力、全霊を掛けたものとして評価できる。

通常のマスコミでは皮相的、批判的にしかコメントされていなかった政府の対応の、全く異なる一面が本書では立ち上がる。

発刊へのスピードと切り口に、著者の素晴らしい見識とエネルギーを感じることが出来た。

2011年9月19日月曜日

エース交易 榊原秀雄相談役 6億円退職金は高いか

エース交易 榊原秀雄相談役

2011年3月期上場企業での、役員報酬と従業員平均給与の「格差ランキング」が発表された(東京商工リサーチ、本日のブログタイトルからリンク)。

格差ランクでトップとなったのが商品・先物取引のエース交易の榊原秀雄相談役。同氏が昨年会長を退任した際に手にした退職慰労金が主でその年収は6億2千万円。同社従業員の平均年収の127倍だという。

これが上場企業での最高格差であり、おそらく絶対最高額と思われる。何と安いことだろうか。
欧米の企業、例えばフォーチューン500クラスの製造業でもCEOはボーナスやらストック・オプションなどで数百万ドルを得る例は溢れているし、金融業や医薬業界なら10億円を超すことは珍しくない。

日本の大企業役員は、その責任と、退任してからも一株株主からの役員訴訟におびえなければならない期間が10年間もある。もっともっと貰わなければ報われないはずだ。

それにしても、榊原氏の印影はネット上を探しても見当たらない。金満家は素顔も晒さないように努めているのかも知れない。自覚有る処世だとも思う。

2011年9月18日日曜日

恥ずかしながらの誕生日




62才の誕生日。何人もの方からFace Bookなどでお祝辞をいただいた。ありがとうございます。

社会に出て例えば25才(新人)の時、35才(中間管理職)の時、40才(もう社長だった)の時、それぞれ「60才(つまり普通の定年)後、何をやりどんな暮らしをしているのだろう」と思っただろうか。あるいはそんなことは考えもしなかっただろうか。

今年は2冊本を上梓した。講演やらセミナー、企業内研修で出張っていたりする。時々原稿を書く。暇があればテニスをする。ビジネス書を読んだらブログに書評を書いたりする。

いわば晴耕雨読でストレスがないまことによろしい生活リズムである。一番力を入れているのが経営者ブートキャンプで、つまり現役の経営者や幹部の方達のお力になりたい、というところに晩節のやりがいを見つけたということになるのだろう。健康には大いに恵まれていて、この3年間(つまり実業を引退してから)が自分の人生の中で一番幸せな時代がやってきて、それを自覚して謳歌している。夢よ覚めるな。

2011年9月17日土曜日

ランチェスター協会が一括購入、コンサルタント向け




先日話させて貰った、「ランチェスター戦略学会研究会200回目講演」を受けて、ランチェスター協会さんが所属コンサルタントの参考資料として全員分を発注くださったという。評価して貰い、感謝している。

ITmediaエグゼクティブ ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 寄稿(4)



戦略はコミュニケータブルでなければ!

 自分が持っている経営戦略を形有るものにしておくことはとても重要だ。創業経営者ならば「オレについてこい! 」というスタイルで走っていってしまってもいいかもしれない。その場合は「目標? 戦略? オレの背中を見て考えろ! 」ということになるのか。

 しかし、普通の経営者やまして部門責任者なら、「説明責任」というものがある。上位者に対してもだが、自分のチームのメンバー達にしっかりと戦略を説明した方がよい。モラルの点でも、効率の点でも、ベクトル合わせのためにも。「戦略というものはコミュニケータブル(説明できる)なものでなければ」と、常々わたしが主張しているゆえんである。

 従来の戦略セオリー論は学者やコンサルタントが発表したものがほとんどで、経営の現場の実感と遠いきらいがあった。また、具体的に自社の戦略を立案できるような実用的なものがあったわけでもない。「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法を会得して是非自社、自部門独自の経営戦略を自分で立案してみてほしい。

2011年9月16日金曜日

ランチェスター戦略研究会200回記念会「1点突破で果たしたV字再生」



ランチェスター戦略研究会(ランチェスター協会)の200回記念会で9月15日(木)18:30より標題で講演させて貰う。20時より記念懇親会でいずれも大変な盛会。

歴史のある協会なので、参加されている方達も著名な企業経営者から教授、コンサルタントと名士が多い。顧問の中條高徳(なかじょうたかのり)氏とご挨拶させて頂いたら、アサヒビールの元社長で、学習院大学の第1期生だという。学習院の先輩であり、私がミード社長時代の最大の顧客がアサヒビールだった。世界は狭い。

2011年9月14日水曜日

りそなマネジメントスクールで戦略カードが大好評



りそなマネジメントスクールで戦略・組織論を担当

先週9/7は東京会場で1日セミナーをレクチャーした。本日9/14は大阪会場で。限定50名が満員で感心。
終了して、参加者からのアンケートを見せて貰ったら、ポイントは高得点が並び、嬉しかった二人だけ「声が小さい」との指摘あり、反省した。

コメントで目立ったのが、戦略カードに対する圧倒的な支持。「すぐに会社で使う、展開したい」などの書き込みが二桁はあった。

「戦略カードのシナリオ・ライティング」の方法論が確実に受け入れられている。

2011年9月11日日曜日

「そうなのか!ランチェスター戦略がマンガで3時間でマスターできる本」 書評92


ランチェスター協会の田岡佳子名誉会長からご恵贈いただいた。
漫画による図解で分かりやすい。そして、実際に3時間で読める。部長研修などでの課題図書としては負担感がないし、入門書として良いだろう。そして実際ロングセラーとして好調だとか。

2001年、明日香出版社刊。明日香出版社といえば、昔私も「大失業時代に職を見つける!」というおどろおどろしいタイトルの本を出してよく売れたことがある。当時の創業社長は日本実業出版社から独立した、業界で有名なやり手の石野誠一氏だった。ご自分でも「有限会社シリーズ」をモノされ、ずいぶんな売れ行きだった。現在は2代目、いわゆるジュニアの代となっている。一度パーティでご挨拶させて頂いたが、2代目の経営手腕はどうなのだろう。

(株)国際ビジネスブレイン 新将命代表取締役 「人は人で磨かれる」




新(あたらし)さんは、経営者ブートキャンプが誇る「無敵の講師陣」のお一人である。現在進行中の第3期では、前回8月の会で2時間お話し頂いた。その時のタイトルは「グルーバル・リーダーに求められるもの」ということで、参加者の中でも外資の社長や幹部・そして日本の会社を率いている方も海外展開している会社が幾つかあり、そんな方達にとりわけ感銘の深いお話だった。

本日、懇親会で参加者から聞いたのだが、新さんのお話にとても感心したので、参加者二人でお願いしてその後新さんと会食して貰ったという。その若手経営者二人に新さんが与えた箴言というのが
「Aさん、ダイヤモンドは何で磨くか知っていますか。」
「?」
「一番硬い鉱物であるダイヤはダイヤでしか磨くことは出来ない。
ヒトもまたヒトでしか磨くことは出来ない。」

Aさんはいたく感心してこの話をしてくれたのだが、私は言葉を足した。
「ダイヤのようなヒトは、ダイヤのようなヒトたちでしか磨かれない、ということですよ」

だから皆、経営者ブートキャンプに来ているのだ。

ライフネット生命保険(株) 出口治明社長、 ブートキャンプで魅了



経営者ブートキャンプ第3期も大詰めに近づき、昨日は第5講のクラスとなった。本日の最後の2時間は、出口氏を特別講師としてお迎えした。ブートキャンプが常任講師以外でスピーカーをお迎えするのは久しぶり。

久しぶりにサプライズとしてお迎えした出口氏は「私の人間観、経営観」と題されてお話し頂いた。保守的で許認可事業である生命保険会社を、いきなり132億円という資本金を集めて、ネット専業という新しい形態で始められたアントレプレナーとしてのお話も十分に刺激的だった。また膨大な読書量に支えられている深い教養、それから醸成された奥が深い見識にも全員感銘を受けた。ブートキャンプの参加者はいずれも経営者、あるいは幹部なわけだが、いずれも前途有為な発展途上人でもある。出口氏のような魅力的なロール・モデルをお見せすることが出来、主催者側としても誇りに出来る。

2011年9月9日金曜日

ITmediaエグゼクティブ ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 寄稿(3)



「戦略カードとシナリオ・ライティング」なら形にできる!
 わたしは自分が6社で展開し、結果を出してきた経営の方法の中で最も有効だったのが「戦略の立て方」だと確信している。そしてその技法を整理・理論化して、確立した技法として多くの会社で指導・展開している。それが「戦略カードとシナリオ・ライティング」という、オリジナルで具体的な技法だ。全社戦略の立案だけでなく、部門レベルでの戦略立案にも有効である「戦略カードによるシナリオ・ライティング」とは、

 (1)戦略策定者の頭の中にある思索の断片を「戦略カード」を使ってカード出ししていき、

 (2)幾つかのステップのそれぞれで重要なカードを選んでいき、

 (3)残ったカードを一定の構成構造によって並べていくことにより、「戦略シナリオ」を形作るという具体的な方法である。

 各ステップでは、「思索の言語化」が行われ、最終的には「言語パッケージ」という形で独自の経営戦略を自分でまとめあげることができる。

 次のような5つのステップがある。

 1、目標設定

 2、目標合意

 3、課題の発見

 4、解決策の策定

 5、派生問題と対処

 さらに5つのステップを展開していく「カード操作作業」が具体的に10考えられている。ここでは詳細は省くが、それらの作業手順を追っていけば、最終的には「発表できる形」の自社(自部門)戦略パッケージへ自然とたどり着ける。この戦略立案技法を別名「課題解決型の戦略立案法」と呼んでいる。

2011年9月7日水曜日

りそな総研 藤田淑郎代表取締役 終日聴講



りそなマネジメントスクールは大したもので、今年で24年目を迎える。月次で展開し、1年間にわたって開講しているプログラムだが、東京・大阪がそれぞれ50名が満員だ。

私は第6講目を受け持ち、本日東京会場で1日講義した。出来たての戦略カードを駆使して、各自会社の組織課題の抽出と、解決策を作って貰い、グループ発表などに展開。

若手経営者が多かったが、好評を頂いた。来週は大阪会場で出張講義。本日に引き続き、りそな総研の藤田代表取締役もわざわざ足を運ばれ、聴講してくださるとのこと。力の入れようが分かる。

2011年9月5日月曜日

「超実践的経営戦略メソッド」書評91(3)

第7章 作った戦略を発表し、共有する

1 「きっとそれしかない」と思わせるのが最高のシナリオ
2 作った戦略は全社の承認を得る
3 コミュニケータブルな形にまとめる──発表用スライドとプレゼンテーション
4 戦略発表には前向きで、わかりやすい表現を

第8章 戦略を実際に動かすのは誰か

1 モチベーションを上げるために
2 「リソース・ベースト・ビュー」には納得感がある
3 「資源発展対応型の創発戦略」が最も有効
4 後は実践責任でしょう

後書き

是非読んでみてください。力作、自信作。

ITmediaエグゼクティブ ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 寄稿(2)




戦略がなければ漂流してしまう!

 わたしは6つの会社で計22年間にわたり社長として仕事をしてきた。いつもスカウトされて着任し、業績が低迷していた会社をてこ入れしたわけだが、幸いそれぞれの会社で、4年ほどの在任期間中に結果を残すことができた。

 例えばフィリップスライティング社では、わたしが着任する前の3年間に年商がちょうど半減してしまっていた。ところがわたしが在任した続く3年間にはそれが逆に3倍弱、200億円の年商を達成した。売上げ規模でこれだけのV字型回復を遂げた例は他にはないと言われている。

 任された全ての会社に関して、事前の知識や人脈などもなく業界や業態も皆バラバラだった。そんな状態でうまくやってきたのは、一重に「何をやればうまくいくのか」を考え抜き、整理しながら経営してきたからだと思っている。つまり「勝ち上がる経営戦略」を策定してそれを鋭意実践してきたからこそ、顕著な業績の回復を実現できたわけだ。

 経営者なら「金融機関から事業計画を求められたが、どう作り始めたらいいか分からない」、新しく部門責任者となったマネージャーなら、「これからは、ちゃんとした経営計画(つまり部門戦略)を考えてコトに当たれと、トップから要請された」などと、途方に暮れている人がとても多い。でも多くの経営者や部門責任者は、そんな方法を教わったことのない人が圧倒的なはずだ。それはそんなことを分かりやすく教える本や技法が今まで無かったからだ。

2011年9月3日土曜日

ランチェスター協会 田岡佳子名誉会長と会食



9月15日(木)に、ランチェスター協会の戦略研究会が何と200回記念会を催す。その記念会で私が講演をするように頼まれているわけだ(本日のタイトル・クリックでその会の詳細にリンク)。

それに先立ち、田岡佳子名誉会長と竹端隆司理事長のお二人に会食にお招き頂いた。ランチェスター戦略には若い頃から同感し、参考にさせて貰ってきたが、幾つも興味深いお話を伺わせて貰った。

ー 私は新著「超実践的 経営戦略メソッド」(日本実業出版社)で「ランチェスター戦略は使える」という1項を書いている。その中で、「私のMBA留学時代、あちらのBスクールでは全く知られていなかった」と記した。1982年の留学時の話だ。ところが、お話によると、80年代の半ばには英米で紹介されたという。日本発の経営技法として「カイゼン」ほどの認知を得るに至っていないことは残念なことだ。

- 理事長をボランティアで引き受けていらっしゃる竹端隆司氏が、サンマーク出版を含むサンマーク・グループの社長を長らく務め、同グループを最大規模で3,800人までに育てたという。アントレプレナーの経営実践のお話、とてもおもしろかった。そして、経営について大いにお互い共感した。

楽しい一夕を過ごさせて貰った。

2011年9月2日金曜日

「超実践的 経営戦略メソッド」最初のアマゾン読者レビュー 星5つ

ところで、今回の『超実践的 経営戦略メソッド』も、さすが山田先生らしく鋭い感覚で書かれた良書です。
もしみなさんが、『ブルーオーシャン戦略』や『イノベーションのジレンマ』を読んだことのある人なら、是非お勧めします。「なるほど!」と目からうろこが落ちること間違いありません。
久し振りに手ごたえのある本に出会えたという感じです。

星5つ頂きました。

経営者ブートキャンプ、第4期(10月開講)申し込み受付始まる



第4期は10月15日(土)から始まる。月次土曜日開講で、向こう6ヶ月。早くも申し込みを頂いているし、いつものことながら継続受講希望者が居てくれる。

第2期参加者で、第3期の継続者枠から漏れた参加者の方から、早くも第4期の申し込みを頂いている。
「今度は必ず入れて欲しい」
と言ってくれているとか。
主任講師として大変嬉しい。

経営者・幹部のための「儲かる、成功する経営戦略はこう立てろ!」



標題の2時間セミナーを2回、経営者JPで実施。経営者ブートキャンプ第4期の説明会を最後に15分ほど。
その関係もあり、少人数の参加者にじっくり話す、というスタイル。

新著「超実践的 経営戦略メソッド」(日本実業出版社)出版記念セミナーとも謳っているので、同書で発表した「戦略カードとシナリオ・ライティング」技法の話を中心に展開。活発な質問もいただき、盛会となった。

2011年9月1日木曜日

「超実践的 経営戦略メソッド」 書評91 (2) 

第4章 直面する課題を徹底的に洗い出し、何が重要なものか決める
1 困っていること、解決したいことは何だ?
2 聴いて聞いて、聞きまくる
3 社長は寂しく1人ランチ
4 効果的な事業部戦略をチームで立案する方法
5 戦略で大事なのは、分析よりも課題の問題意識
6 観念論だったコア・コンピタンス経営
7 神様、マイケル・ポーターの限界

第5章 「有効な解決策」を思いつくことが戦略だ
1 解決策は無限にある、どうする?
2 売上げを3年で3倍にした「選択と集中」という解決策
3 組織は戦略に従う
4 経営基盤を強化する、あるべき組織の作り方
5 新しいMARCOMを走らせろ──効果抜群の広告戦略
6 解決策は「戦略のタネ」、現場とキャッチボールしながら膨らませろ

第6章 戦略を実行すると必ず起こる問題に、どう対処するか
1 「新しいやり方」は必ず負の反応がある
2 社員の4分の1に解雇を言い渡した
3 「青い鳥幻想」をまき散らしたのが「ブルー・オーシャン戦略」
4 ユニクロは新しいビジネス・モデル
5 顧客を選んで一点突破「破壊的技術」
6 ゲーム理論は、経営戦略に使えるか
7 「ランチェスター戦略」は使える

第4章の7.神様マイケル・ポーターの「限界」は、オリジナル稿では「落日」だった。
「神様」の余光により変更になったと思われる。

テスコ 日本撤退 「つるかめ」売却、カルフールに続く




日本で129店を展開していたイギリスのスーパー最大手が日本からの撤退を決めた。
世界の小売り大手の4社が、日本市場だけでは苦戦を続けている。世界2位のカルフール(仏)は8店を出店したが結局05年にイオンに売却、撤退した。世界1位のウオルマートは西友を子会社化しているが、08年まで赤字が続き、以降も強い存在感を示せないで居る。

残りは、世界3位のメトロ(独)で、現在関東に9店を展開中。

外資の社長を4回やって痛感したのだが、先進国で日本ほど特殊な市場はない。殆どどの業種にとってもである。これは日本の独自の社会や文化のありようと深く関与している。逆に言えば、この難しい市場で成功すればその方程式は世界で通じる。「日本を制することが出来れば、世界を制する」

ITmediaエグゼクティブ ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 寄稿(1)



「初めて示された経営戦略立案に必要な具体的技法」と題して寄稿。本日のタイトルからリンク。
以下、抜粋:

リーダーは経営戦略を立てられなければならない
 ビジネス・リーダーの最大で最終的な責務というと、預かったチームのアウトプットを最大化することに他ならない。つまり、結果を出すということだ。社長なら会社全体の、部門責任者なら自分が率いているチームの成績を向上させ、改善するということとなる。それは課長クラスの新任管理職でも同じことだ。

 わたしは、経営戦略のことを別名で分かりやすく「やり方」と呼ぶことがある。業績を向上・改善させるためにリーダーは仕事の「やり方」を策定し直さなければならない。そしてそれを確実にチーム全体で実践させることで結果を出す。それが「経営戦略の策定と実践」なわけだ。

今までの競争戦略セオリーは観念論ばかり
 今までの経営戦略に関する本は、「戦略を立てる前の環境分析」に関するモノ(いわゆるフレームワーク)か、直前数年間に大成功した著名企業が実施した戦略の「解説と分類」(コア・コンピタンスやブルー・オーシャンなど)のどちらかであったと言ってよい。これら二つの段階の間にある「実際に戦略ってどう立てるの? 」という「戦略立案の方法」については誰も具体的に語っていないのが現状である。

 例えば、競争戦略セオリーの始祖・マイケル・ポーターは「競争優位」の確立の重要性を説いているのだが、それではその「競争優位」をどう確立し、どう組み合わせて個別会社の経営戦略とするのかという、具体的な方法は示していない。

 最近発表され話題になった楠木建の『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)にしても、「戦略を策定するに当たってのコンセプトの重要性」を指摘したのだが、その「コンセプト」については「各自が自分で考えるしかない」として、その立案法を示すには至らなかった。

 フレームワークと総称されるSWOTや3C、4P、5F、7Sなどは、そもそも牽強付会的な語呂合わせで無理がある。これらはいずれも企業の外部や内部の環境や要因を整理分析しようとするものだが、経営戦略は分析からは生まれて来ない。それは、思い付きやアイデアから流れ始め、わたしはその流れを「シナリオ」とよんでいる。経営立案とは「シナリオ・ライティング」なのだ。