2012年2月25日土曜日

ゲイリー・ハメル (2)

さて、ハメル教授が
「米国企業は(略)創造ムーブメントへの転換にも恐らく20年かかるだろう」
としたと、紺野登氏が引用している(『知識デザイン企業』紺野登東洋経済新報社)。これをどう読むか。
2/23のブログで私は
「ここでハメルが『創造ムーブメントへの転換が起こる』ということを前提にして言っていることは明らかだ」
と書いたのだが、ハメル(1)を振り返って、2/23コメントは撤回・訂正する。

ハメルは上述で
「分からない」
と言っているのだ。
「創造企業へのムーブメントが起こりかけているのかもしれないが、”分からない”。またそれが全体を席巻するか、”分からない”。仮に”起こったとしても”20年掛かるだろう」
というのが真意だろう。

『コア・コンピタンス経営』では「15年後を見据えろ」と言い、今度は「20年後には起こっているかも知れない」などと、「証明できないことを前提に論を立てる」のが得意なのがこの教授なわけだ。20年後の状態など、誰が検証するか。私も、ハメル教授も紺野氏も、三人が皆生存している割合を考えてみたい。

問題はこのような「分からない」というステートメントを、アファーマティブ(自説補強的)に引用して立論している紺野氏の御論をどう受け止めるか、である。ハメルのステートメントを「創造ムーブメントへの転換が起こる、起きている」と牽強なさったようでもあるが、、
(紺野登氏『知識デザイン企業』書評(5)に続く)

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