2012年4月23日月曜日

「ダイナミック競争戦略論・入門 」河合忠彦 書評136(2)

マイケル・ポーターの競争戦略セオリーは、1980年代に発表され、実に30年余も命脈を保ち続けている学説である。「命脈を保ち続けている」とは「広く一般的に知られ、一般的にはその妥当性が容認されている」という意味だ。

しかし、ポーター・セオリーによって説明の付かない幾つもの企業事例の出現あるいは指摘により、アカデミーの世界ではポーター・セオリーに対する批判あるいは対抗学説などが提出されてきた。

河合教授は本書で、「ポーター理論の7つの謎」という括りで、ポーター・セオリーを巡る対抗学説の立場を整理して取り纏めている。そして結論として
「ポーター・セオリー」が前提条件無しで適用されるのは「スタティック(静的)な市場環境」である

とし、
現在の環境はダイナミックなモノとなってきているので「ダイナミック(動的)・セオリー」で解説されなければならない
とした。

(この項続く)

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