2012年8月20日月曜日

『志高く 孫正義正伝』井上敦夫 書評148(2)



さて、本書のことだが、本ブログ書評でも多数取り上げてきた現代経営者伝では、殆どが起業前の生い立ちとか苦闘の話には、あまり興味が持てなかった。

ところが本書で孫正義のUCバークレー留学時代を読んで、私は驚嘆した。彼の異常な集中ぶりに、である。ここで「異常な」というのは悪い意味ではなく、「常と異なる」という褒めた表現だ。

私もサンダーバード時代勉強した方だと思っていたが、孫氏のその勉強ぶりにはとてもかなわない。孫氏は天才だし、また集中する天才だと強く感じた。

「5分刻みの勉強スケジュール」で優等生になったのは理解できるとして、そんな在学中に教授を雇って起業し、シャープに技術を1億円で売りつけた、など、度肝を抜く話が続く。時代を巻き込んで走っている風雲児経営者の出自話を、刮目して読むべし。

(この項 終わり)

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