2012年8月18日土曜日

『良い戦略、悪い戦略』リチャード・P・ルメルト 書評147(5)

本書におけるルメルトの最大の提言は「カーネル」なわけで、それは3つの要素から成る。拙著『超実践的経営戦略メソッド』(下記URL)で私が提唱した「戦略シナリオ・ライティング5つのステップ」とどう対応するのか、対照させてみよう。
http://www.amazon.co.jp/dp/4534048602

ルメルトのカーネル          山田の5ステップ
目標項目はない           1.3年目標設定
1.診断                 2.重要課題の選択
  状況を診断し、取り組むべき    3つだけ選ぶ。
  課題を見極める。
2.基本方針              3.解決策の発見
  課題に取り組む、大きな       それぞれの課題を
  方向性と総合的な方針を。     解決するカードを3枚ずつ。
3.行動                 4.派生問題
   基本方針を実行するための    解決策で引き起こされる
   一貫性のある一連の行動。    問題。
派生問題と対処というアプローチ  5.対処
ではない。                  派生問題が想定されるな                 
                         それへの対応策を。

戦略立案のためという観点から言うと、ルメルトの「カーネル」は要素の分別が進み切れていない、そして具体性という点で十全ではない、というのが私の観察だ。

本書についての批判は、本ブログでは紙数などなじまないので別の文章で展開したい。ネットのどこかに書き込んだときに、本ブログでその掲出を報告する。

(この項 終わり)
  

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