2012年12月7日金曜日

破壊的技術とコダック倒産 「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(21)


どんな価格帯からも「破壊的技術」はやってくる

2世代としてリリースされたデジタル・カメラの価格帯は3万円から8万円が主なものでした。それらに対応するコンパクト・カメラ(フィルム)の価格帯も実は同様なものでした。デジタル・カメラ側は意識的に従来のコンパクト・カメラの価格帯に揃えて来たことがうかがわれます。

クリステンセンは、バリュー・チェーンの存在のために従来型企業が下位価格に移ることの難しさを指摘しています。そのため、「破壊的技術」は従来型製品より安い価格帯で出現するものだと思われがちでした。しかし、クリステンセン自身は『イノベーションのジレンマ』の中で、そのようなことは言っていません。

デジタル・カメラの場合は、旧来型商品群と同じ価格帯に出現しました。こうしてみると、高価格帯域に出現する「破壊的技術」もあるはずです。

(「破壊的技術」の項 終わり)

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