2013年1月13日日曜日

『エクセレント・カンパニー 』トム・ピータース他 書評162(2)



著者のトム・ピータースとロバート・ウォーターマンはマッキンゼー社のコンサルタントでした。マッキンゼー社のように経営戦略を専門分野としているコンサルティング会社のことを「戦略ブティック」と呼ぶことがあります。戦略ブティックでは自社のエクセレンスを誇示するために、専門書や啓蒙書、あるいはコンサルティング技法を活発に発表しています。『エクセレント・カンパニー』という書物をマッキンゼーにとってのマーケティング活動として見ると、これほど成功したパブリシティは無い、ということができます。

同書で「アメリカのジ・エクセレント・カンパニー」とされた企業の認定基準は、財務的には著作の前20年間にわたって増収増益を続けていたこと、そして著者達が考えた「企業としての卓越条件」を満たす会社というものでした。これらの優良企業群が実践している経営をコピーしていけば、あなたの会社もエクセレントになれる、というわけです。とても説得的に聞こえたので、同書が史上最大の経営ベストセラーになったのも不思議ではありません。

(この項 続く)
 

0 件のコメント:

コメントを投稿