2014年4月30日水曜日

孫正義と柳井正 科学的なユニクロ、勝負のソフトバンク(6)


実際、柳井氏の「年商5兆円を目指す」という現時点での目標設定に至る変遷と、今に至るファストリの経営資源の獲得とは強い関連があります。それについては、前拙著『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(山田修/ぱる出版)で詳細に論じました。

 一般的に経営者というのは、ヒト、モノ、カネ、情報などの、その企業独自の経営資源を獲得・追加することにより、業容拡大のチャンスを得ることができる。そして、階段を一段上がるような業容拡大を実現して企業としての次のステージに出ると、今度はそのステージから目指すにふさわしい「次の経営目標」を設定するのです。これが通常の戦略的プロセスを経た企業発展の過程ということなのです。

 それを考えると、柳井氏が喝破したように「孫さんは一種の天才」(前出の対談)といえるのでしょう。

 (この項 続く)