2014年8月14日木曜日

『「色あせない成功」を求めて』ハワード・スティーブンソン他 書評207(3)

「経営者の真の成功」には4つの必須要素があるとされた。経営者が自らの「成功」を顧みるとき、次の4つの視点から考える、すなわちカレイドスコープ(万華鏡)的な視点が必要だ、というのだ。

1)幸福感:人生から喜びと満足感を得ること。
2)達成感:何かの業績で他に抜きんでること。
3)存在意義:身近な人にとって意味のある存在であること。
4)育成:自分の価値観や業績によって、だれかの未来の成功を助けること。

スティーブンスン教授が論じたこのような視点は、他の経営書で見ることが少なかった。それだけにハラに染み入る内容ではないか。HBSを通過していく、大成功が約束された未来のCEOたち、そんな連中がこの教授を慕う気分が理解できた気がする。

上記4点のうち、私はどうだろう。3)は自分で採点するモノではない。実業を引退して、コンサルあるいは著述業に転身してきて今痛切に自覚しているのは4)の分野だ。恩師故水谷栄二先生が示してくれた道をどれだけ自分も歩いていてけるのだろうか。

(この項 終わり)