2014年8月26日火曜日

ミラノの思い出(1)

ミラノ中央駅は、異様に大きい。そして不要に他を圧している。睥睨していると言っていい。
それも道理、この駅はヨーロッパ大戦の勃発を感得していたムッソリーニが国威発揚を図って作らせたという。

イタリア中部に位置するミラノのこの駅からは、南に向かっての列車が出発する。ホームが横に20本も並び、色鮮やかなイタリア特急が入線している様は壮観だ。日本の鉄男君が見たら、泣いて喜びそうな光景だった。

私たちが朝の10時過ぎに乗り込んだ特急には、天井にディスプレイ画面が配置され、種々の情報や後ろに飛んでいく景色などを映し出していた。ちょうど飛行機に備えられているモノと同じだ。その画面がすぐに時速310km到達を告げた。こんなイタリア超特急を知っていたわけでも、ましてや特に指定してきたわけではなかった私たちは、その素晴らしい性能や外観に一驚してそして欣喜した。

特急電車は私たちを乗せて1時間ほど田園地帯を快調に駆け抜けて、やがてその日の目的地であるフィレンツエ駅に到着した。まだお昼になる前だった。ホームに降りた私は、、、駅員に拘束された。
「警察があなたを、、、」

(この項 続く)