2014年8月28日木曜日

ミラノの思い出 (3)

これはアル・パチーノだけど、
もっと怖かった
 
「座れ、座るんだっ!」
黒髪短髪、日焼けして精悍なイタリア人刑事が怒鳴った。
「座らないとお前を逮捕するぞ!」
イタリア語が分かるわけではないが、そう言ったのではないか。
(おいおい、こちらは被害者だぞ)
12時半頃から始まった取り調べは、英語を話す女警官を挟んで一時間近く続けられていた。刑事(オフィサー)はパソコンにイタリア語を打ち込みながら私を尋問し、調書としていた。

1時20分を過ぎて、
「私たちの午後のツァーの集合時間が近いので後5分にしてくれ」
と、申し出た。ピサの斜塔行きの日本語ツァーがフィレンツエ駅前から1時45分集合で出発する。
刑事は分かったという顔をしつつ、詳細な質問を続けていた。3回目に同じコトを告げて、私は席を立った。すると、思い切り怒鳴りつけられたのである。

「後5分で終わる」
と、きっぱり言うので腰を降ろした。慌ただしく調書が印刷され、読みもせずに私はサインした。イタリア語だったし。
刑事がドアに行き
「You can go!」
と偉そうに外を指した。慌てて立ち上がった私はドアを出る前に
「Thank you, officer」
と行って、アル・パシーノ刑事に手を出した。意外そうな顔はされたが、怒鳴り合った私たちはしっかり握手をした。

フィレンツエ駅でこんな目にあったのは、そもそもミラノ駅で、、、

(この項 続く)