2014年9月14日日曜日

”お殿様統治”ベネッセ、米国流原田新社長どうする?(6)

ベネッセは14年3月期のグループ年商は4663億円、社員数は約2万人の大企業。「大企業だけど總一郎氏が実質オーナー」という構図ですが、珍しいのはこれだけの大企業のオーナーである同氏は、実は日本を離れニュージーランドに在住しているという点です。「君臨すれども統治せず」という「お殿様型ガバナンス」だとしたら、それはそれで見識のあるスタイルともいえます。

 本連載の前回記事で、原田氏のベネッセ社長兼会長就任について書きました。ベネッセ再建の成否は、原田氏をスカウトしたベネッセの創業2代目で実質オーナーである福武氏がどこまで経営から身を引き、どこまで原田氏に任せられるのかにかかっています。

 原田氏の着任日6月21日を機に、福武氏はベネッセの会長から最高顧問に退きました。また原田氏としては、企業ガバナンスや意思決定風土が大きく異なる日系オーナー会社のトップに就任して、オーナーとの関係をどう築いていくのか。原田氏の手腕、そしてそれ以上に福武氏の度量が、けだし見ものです。
 

(この項 終わり)

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