2014年9月27日土曜日

『結果を出すリーダーはみな非情である』(冨山 和彦) 書評208(2)

著者は多くの経営者を退場させ、その後に抜擢あるいは送り込んだこれも多数の新経営者と「産みの苦しみ」を共にしてきている。だから、経営者の苦しみ、経営の現場を理解している。学者のセオリー的な、あるいは戦略ブティックにいるコンサルの上から目線だけのリーダー論ではない。

「社長と副社長の距離は、副社長とひら社員より遙かに遠い」
「その能力を発揮できるかどうかは、ストレス耐性に大きく左右される」
などの記述に、「この人は分かっている」と掌を叩いた。

「論理的な思考力、合理的な判断力」が重要だとする一方で、「情に背を向けてひたすら合理に走っても上手くいかない」とも喝破している。

本書の立ち位置は、30代の若手リーダー向けと言うことだが、ここかしこで現リーダー、つまり経営者への提言と示唆に富んでしまっている。いわば、筆が走ってしまっているのだろう。経営者や幹部にお薦めの一冊である。

冨山氏と私とは実は、、、

(この項 続く)

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