2014年12月3日水曜日

社長が選ぶベスト社長に永守氏、何がすごいのか?ゼロから1兆円企業に、驚愕の経営手法(2)


1973年の創業以来、50社ほどを買収してきた。これは1年に1社以上という考えられないペースであり、それを40年も続けてきたというのは驚愕に値する。投票したのが現役社長だからこそ、永守氏の手腕のすごさに打たれ、恐ろしいまでの集中と成長への執念に対して、ベスト社長として1票をためらわずに投じたのであろう。

●永守氏の経営手法

 今回のランキング結果を掲載した同誌は、付帯して永守氏と柳井正ファーストリテイリング社長の対談を掲載している。筆者は対談収録時に会場で聴講したが(詳細は筆者ブログ参照)、柳井氏はテレビなどでたびたび目にする機会があるので既視感があった。一方、永守氏は筆者が「動く同氏」を見るのが初めてだったこともあり、特に強い印象を受けた。あの柳井氏に比しても永守氏の「大物感」は強く、オーラと存在感が会場に広がっていた。
 永守氏はよく「M&Aの神様」のように呼ばれるが、対談では「買うまでが20%で、買った後にかける力が80%」と語った。さらに、「高い買い物はしない、この半年で8件も買収を断念した」とも明かした。

 永守氏の経営技法については、『日本電産 永守重信、世界一への方程式』(田村賢司/日経BP社)がとても明快に紹介しているので、興味のある方はご一読いただきたい。筆者が主宰する「経営者ブートキャンプ」でも、永守氏を今期のテーマ経営者にした。課題図書を選ぶために永守関連本を何冊も取り寄せ目を通したが、同書が豊富に資料などを収載しており、最も本質に迫っている。永守氏の経営手法について勉強することは、経営者のみならず一般のビジネスパーソンにとっても大きな糧になることは間違いなく、同書を手に取ってみることをお勧めしたい。
 

(この項 終わり)

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