2015年4月1日水曜日

『孫正義の参謀: ソフトバンク社長室長3000日』嶋聡 書評220(2)

嶋 聡氏
本書は興味深い。しかしながら、読者としての筆者の興味からは少しずれる。

本書を購入したのは、経営ヒーローである孫正義がそれぞれのビッグ・プロジェクトでどのように立ち回ったか、判断したか、悩んだかという点に興味があったからだ。

著者は、元政治家だけあってご自分の信念や自己主張が強く、また松下整形塾でもリーダー的な存在でもあったにふさわしく見識や知識に富む方だ。その結果、、本書は厚すぎる(442ページ)。

開示された孫正義エピソードの中で、私が最も興味を感じたのは第7章の東北大震災時に福島原発メルトダウンの情報をいち早く著者が伝えた後の孫正義社長の行動だ。孫さんの人間くさい反応や、「ポケットマネーで30万人を疎開させる」という義憤の発露に感動させられた。

とてもおもしろい本だが、もっと凝縮すればさらにとても良い本に仕上がったと思う。

(この項 終わり)

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