2015年4月22日水曜日

寺に油がまかれるとセコムが儲かる、という考えは経営者に必要な戦略的思考である(1)

奈良京都の神社仏閣で油のような液体がまかれた事件は、関東や四国でも被害が広がり、11日までに6つの府県で合わせて27寺社・城の被害が確認されている。

被害となった文化財には世界遺産や国宝までもが数多く含まれる。奈良では世界遺産である東大寺の国宝、大仏殿の須弥壇や南大門の金剛力士像、京都では同じく世界遺産の二条城や東寺など、それ以外の地域でも鹿島神宮(茨城)、香取神宮と成田山新勝寺(共に千葉)、三嶋大社(静岡)など、そうそうたる古寺名刹が被害に遭った。

「大切なものをないがしろにする気持ちが(犯行に)あった。憤りを感じる」(鹿島神宮の神職)
 まったくその通りで嘆かわしいことだが、「管理者側も、かけがえのないものを守れなかった」と指摘しておかなければならない。何しろ預かっているものは、国宝や世界遺産なのだ。

 一部施設では監視カメラが設置されていたので、警察はその映像の分析を進めるというが、セキュリティが不十分な施設も多かった。被害に遭った文化財の多くは宗教施設で、多くの訪問者は「参拝に来る」という、いわば「究極の性善説」を前提にしていたところに悪者が入り込んでしまったのだ。したがって、今回の事件を契機にしてセキュリティに対する意識と需要が加速するだろう。

(この項 続く)

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