2015年6月22日月曜日

化粧品ポーラ・オルビス “感激”経営で訪問販売会社から変身(3)

05年に「ポーラ ザ ビューティ」を主導し、販売方法を訪販からサロンでのエステを含むショップ型へと舵を切った。ポーラ単体の国内売り上げは、01年度に745億円(業界シェア6位)あったものが、10年度には415億円(同12位)と落ち込むが、この業態変更により13年度には562億円(同7位)としっかり改善してきている(以上、「週刊粧業」の各年統計による)。

 この選択は正解で、日本の化粧品の訪販マーケットは富士経済によれば00年に約2650億円あったのが落ち続け、10年には2000億円を切ろうというところまで下がった。ポーラが危ういところで難を逃れた戦略的判断となった。

「凡庸な訪販化粧品の1社」というイメージから脱却するために、種々の活動も繰り広げた。11年には「AAA(アンチエイジングアライアンス)宣言」をしたかと思えば、12年に国際化粧品技術者連盟世界大会でポスター発表部門最優秀賞を獲得するなどした。

鈴木社長の経営改革は、マーケティングの分野にとどまらなかった。06年には持ち株会社として現社を立ち上げ、統合的で機能的なガバナンス体制を確立し、10年には東証1部上場を果たす。家業、同族的な経営体制から、大手製造会社にふさわしい体制に移行した。

(この項 続く)


 

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