2015年12月6日日曜日

東芝の第三者委、意図的に巨額減損を見過ごした疑い 経営陣を無罪放免(5)

今回の事件で私が思うのは、粉飾が引き起こした巨額の経済的毀損、つまり「罪」に対して課せられるべき「罰」がとても矮小なものとなろうとしていることだ。こ

の5者が互いに相手の立場や生き残りを慮り、裏でなあなあのコミュニケーションを取るか、「阿吽(あうん)の呼吸」で叩き潰さない程度の甘い処罰での落としどころを見いだそうとしている。同じ会社やつながりのある組織同士での、「知り合いは助け合い、かばい合う」というムラ型文化の麗しい発露と観察することができる。

 しかし、「そんなことは許されない」と私は考える。
 アメリカでは01年に倒産したエネルギー会社エンロンが、倒産前に不正経理により株主に損害を与えたとして、8人の経営責任者が刑務所に入った。東芝の前経営者たちに責任があったとすれば、「5人で最大3億円」などという事態で収束させようとするのは犯罪的といえるのではないか。

(この項 続く)

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