2016年1月23日土曜日

川崎重工、想定外の損失計上で快進撃にブレーキ…「負け犬」船舶事業を捨てるべき(4)

一企業が複数の事業にどのように経営資源を分配するのかを決定するための手法のひとつとしてPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント、別名:BCGマトリックス)がある。ROIC経営の手法と得られるチャートは、実はPPMとよく似ているというか、PPMの応用というべき技法だ。PPMをさらに精緻に複雑にして、PPMと同じ結果を得ようとしているにすぎないともいえる。

 PPMの場合は、Y軸に市場成長率、X軸にマーケット・シェアをとり、4象限の中に自社の各事業をプロットする。PPMは1980年代に発表された古い技法だということと、両基準とも相対的で主観が入るなどの批判により衰退してきたが、私に言わせればわかりやすく使いやすい技法なので、経営コンサルタント会社が顧客からフィー(報酬)を取れないのが衰退の理由だった。

 川崎重工の場合、PPMによれば「船舶海洋」は「負け犬」に、「航空宇宙」は「花形」に分類される。PPMでは前者は撤退を、後者は優先事業としなさい、と示唆される。

(この項 続く)

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