2016年7月25日月曜日

英国のEU離脱はヨーロッパ史の必然(1)

九段クラブの月例勉強会でBREIXTが取り上げられた。

イギリスのEU離脱は、経済合理性から言えば不合理なことだ。しかし、ヨーロッパの歴史の大きなうねりからは自然なことだと私は見ている。

そもそもヨーロッパでは、有史以前から国境線が確定されたことなどなかった。執筆者が分明な書物として初出の一つ、『カエサル戦記』からして、ローマ帝国の拡大を叙述したものであった。第2次大戦後、安定して紛争から免れてきた日本とは異なり、大きなものはソビエト連邦の崩壊によるロシア衛星諸国の出現、東西ドイツの統一から、ちいさなものではユーゴスラビアの分割やクリミアのロシアへの実質的な併合など、「ヨーロッパの国境は今も動いている」のだ。

イギリスへ行くとイギリス人は今でも、ヨーロッパ大陸のことを「ヨーロッパ」と呼び、つまり自分たちのことをヨーロッパに帰属、同一しているとは思っていない。

(この項 続く)


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