2016年8月17日水曜日

黒霧島、いいちこ抜きNo.1に…一点突破戦略で売上7倍、懸念は「飽き飽き感」(3)

「黒霧島」の成功は素晴らしかった。13年にはいいちこを抜き、本格焼酎(乙類焼酎)で国内1位を達成する。霧島酒造の年商は今年700億円近くとなり、黒霧島の発売以来、デフレ下にもかかわらず7倍に達したと、江夏氏はチャートで示した。この間、本格焼酎全体の国内総販売金額は07年にピークを迎え、その後10年間で8%下降している。

「デフレ下でこの規模の成長を遂げた製造業は、当社と日亜化学だけだったそうです」と、専務が誇った。しかもここ数年の同社の対売り上げ経常利益率は15%にも上っているという。これは上場企業を見渡しても通常の製造業では稀有の好決算だ。

ランチェスター戦略で市場攻略


 良い製品を出せば自動的に売れる、というのはもちろんメーカー的な発想である。新しい呑み心地を問うた黒霧島も自動的に売れ始めたわけではなかった。
「『横展開式ドミナント戦略』を展開したのです」

(この項 続く)

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