2017年10月30日月曜日

イオン、過去最高益の「知られざる内実」…本業・流通業の利益はゼロに等しい状態(6)

売上を見ると、イオングループは従来型流通業の巨大企業のように見えるが、利益で見ると様相は一変する。(1)~(3)の流通業セグメントが上げた前半期の営業利益額は142億円にすぎない。この金額は3つのセグメントの売上総額約3兆5000億円に対して、ないに等しい。

 一方、(4)~(7)の非流通セグメントの営業利益の合計は704億円に上り、実に前半期グループ合計の営業利益額850億円のほとんどを叩き出している。特に(4)総合金融事業の329億円、(5)ディベロッパー事業の235億円という営業利益額は、イオングループが実はこれら2つの事業に大きく支えられていることを示している。

 イオンの2つの柱の事業というと、実は金融と不動産開発であることを指摘しておきたい。実態は、大規模な流通業の展開を表の顔として、その顧客である消費者に金融サービスを提供して儲け、自らのGMS店舗などを核としたショッピング・モールを立ち上げて外部の店舗を招聘してテナント家賃を稼いでいる、という業態なのだ。

利益分析的には、イオンの流通店舗群は、真の利益構築への導線、あるいは隠れ蓑として理解できる。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿